多くの投資家から高い支持を得ているひふみ投信ですが、運用会社が開示していない、投資信託の購入を検討する際に知っておくべき留意点を整理しました。
ファンド概要
ひふみプラスは、レオス・キャピタルワークス株式会社が運用する国内株式型の投資信託です。主として日本企業に投資する方針で、特に中・小型株の投資比率が高いことが特徴です。
投資哲学や個別銘柄の投資理由を明確に開示しており、また、運用担当者による各種セミナーを各地で定期的に開催するなど情報開示に積極的な運用会社です。
また、月報1つを見ても、ありきたりの定型文を並べただけの他の多くの投資信託と違い、運用プロセスが丁寧かつ明確に記述されており、質の高い運用サービスを提供し続けている日本では稀有な存在の運用会社です。
購入検討時の留意点
前述のとおり、世間一般からも高く評価されているファンドですが、運用会社が開示していない、購入を検討する際に知っておきたい留意点がいくつかあります。
割高な費用
このファンドの購入者は、同じ国内株式に投資するインデックスファンドの7倍以上の割高な費用を毎年支払う必要があります。割高な費用を払ってまで、敢えてこの投資信託を買う理由があるか検討する必要があります。
平均を下回るパフォーマンス
投資信託の評価会社モーニングスターでは、ひふみプラスは「国内小型グロース」に分類されています。
2018年2月末時点のモーニングスターの分析結果によると、「国内小型グロース」に分類される他ファンドとの比較において、ひふみプラスは平均以下の低いパフォーマンスにとどまっていることがわかります。(過去1年のパフォーマンスは、比較対象の69ファンド中60位、過去3年では59ファンド中37位、過去5年では49ファンド中33位。1年、3年、5年のどの期間で見ても、同類の投資信託の平均パフォーマンスを下回っています)。
ベンチマークを設定していない
ベンチマークを設定しておらず、設定しない理由すら説明していません。仮に、絶対収益の獲得を目標としているのであれば、ベンチマークとして短期金利指数(例えばMRF等)を設定すべきです。
ベンチマークが不明なので、投資家は運用結果をどんぶり勘定でしか評価することができませんし、そもそも運用会社内部で、客観的な運用実績の分析・評価(運用担当者の評価)が行なわれていないのかもしれません。運用成績は参考指数と位置付けているTOPIXを大きく上回るも、同類の他ファンドとの比較では平均以下の低パフォーマンスにとどまっています。(2018年2月末分析時点)
海外株式の組入方針に違和感
「世界の株式を投資対象」として「足で稼いだ情報で成長企業を発掘」とうたっていますが、実際に投資している海外株式は「マイクロソフト」や「アマゾン」などの誰もが知っている米国株式にすぎません。