ファンド分析 | THEO(テオ)

THEOは、株式会社お金のデザインが提供する投資一任契約型のロボットアドバイザーです。運用の中身は株式や債券、金や原油に投資するバランス型のポートフォリオです。このファンドを元本100万円で購入した場合、10年間で支払う費用の総額は12万2,278円になります。

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ファンド概要

記載内容は2017年12月末時点の分析・評価です。最新情報は運用会社のウェブサイトでご確認ください。

THEO(テオ)の特徴は以下のとおりです。

  • 株式会社お金のデザインが提供する投資一任運用サービス
  • 世界中の株式や債券、金や原油等のコモディティー価格と連動するETFに投資
  • 運用戦略はこれらのETFへの投資比率の決定(アセットアロケーション)
  • ベンチマークを設定していない

費用の総額

このファンドを元本100万円で購入した場合、10年間の支払い費用の総額は12万2,278円になります。

THEOニッセイ・インデックスバランスファンド
費用の総額122,278円32,264円

同じバランス型のインデックスファンド(ニッセイ・インデックスバランスファンド)の費用総額は3万2,264円です。したがって、THEOの購入者は、同タイプのインデックスファンドの購入者と比べて、10年間で約9万円多くの費用を支払うことになります。

※ なお、支払い費用の算出にあたって、費用控除前の期待収益率をゼロ、投資しているETF(または投資信託)の信託報酬は各ロボアドバイザーの特性を考慮した概算値を入力、取引コストと売買回転率はバランス型パッシブの想定最低値を入力して計算しています。詳しい設定条件はこの記事末尾の「シミュレーション詳細」からご確認ください。

購入検討時の留意点

割高な費用

同じ国内外の株式および債券を主な投資対象とするバランス型の投資信託で、支払費用が半分以下のファンドがあります。割高な費用を払ってまで、敢えてこの投資信託を買う理由があるかお考えください。

THEOはバランス型ファンドとしては高コストのファンドです。ロボットアドバイザーやファンドラップ等、投資残高に応じて毎年1%程度の報酬を負担するサービスがはやっています(業界がブームにしようと企んでいます)が、これらのサービスは初期費用こそ安くすむものの、長期の運用では、結局投資家は高い費用を負担することになります。

過剰な宣伝文句

ウェブサイトを見ると「最小限のコストで気軽にスタート」、「投資一任報酬は預り資産の年率1.0%(税別)だけ」といった、あたかも費用が割安であるかのような宣伝文句がならんでいます。しかし、THEOを契約した投資家が毎年負担する費用は、投資対象ETFの信託報酬等も考慮すると年率1.2%超と、他のバランス型の投資信託と比べても高く、THEOの投資対象がETF(インデックスファンド)であることを考えれば、ありえないくらいの高コストのファンドといえます。

1%の違いが大きいことを知りながら、「投資一任報酬は預り資産の年率1.0%”だけ”」と謳うのはいかがなものでしょうか。投資一任報酬が3%程度のラップ口座と比べて割安とアピールしているとしたら、世間の常識からずれています。ちなみに、米国のロボアドバイザーの投資一任報酬は、預り資産の年率0.25%程度です。これと比べると、THEOはこの4倍近い費用を顧客から徴収する割高なサービスです。

ベンチマークを設定していない

ベンチマークを設定していないため、投資家は、THEOの運用戦略(アセットアロケーション)がうまくいっているか否かを評価することができません。高い費用を投資家に負担させるのであれば、THEO独自の資産配分方法の有効性をきちんと示すべきです。定量判断に基づく投資判断を売りにしているサービスが、その有効性を顧客に定量的に一切示さないのは、不誠実で情けない限りです。

都合のいいシミュレーション

THEOが公表しているシミュレーション結果には、投資一任報酬の支払いが反映されていません。運用実務の世界では、過去データで定量分析の有効性を示す場合、最低限かかる費用を反映させるのは常識です。これでは投資家はTHEOを過大評価しかねません。加えて、シミュレーション結果にもベンチマークが設定されていないので、投資家はTHEOの運用戦略(アセットアローケーション)の巧拙を判断することができません。

2013年以降、「アベノミクス」や「トランプ相場」と表現される世界的な過剰流動性を背景にリスク性資産の価格が高騰した結果、直近期間を含むシミュレーション結果は、トータルでプラスとなっています。右肩上がりの”望ましい”シミュレーション結果は、単に幸運な期間を示しているだけで、THEOの有効性や優位性は示しているわけではありません

詳しくはこちらをご覧ください。

費用を考慮しないシミュレーションの罠

為替リスク

THEOの投資対象は海外に上場しているETFなので、為替リスクを伴います。例えば投資している米国株式ETFの価格が変わらなくても、ETFの買付け時よりも円高になれば投資損益はマイナスになり、逆に円安になれば投資損益はプラスになります。

低ベータ特性

公式な説明はないので以下は推測ですが、THEOのパフォーマンスは、世界的な株式市場の上昇時は、市場の平均上昇率に劣後する一方で、相場下落時は、市場の平均下落率よりもマイルドな下落率にとどまる特徴がありそうです。

少し専門的な視点になりますが、株価指数を主な投資対象とする「グロースポートフォリオ」は、その独自の組成方法により、必然的に低ベータ特性を持つように設計されているからです。

まとめ

THEO(テオ)は株式会社お金のデザインが提供する投資一任契約型のロボットアドバイザーです。運用の中身は、バランス型のインデックスファンドです。投資対象を、株式や債券に限らず、金や原油などの世界中のさまざまなインデックスに連動するETFを組み合わせたポートフォリオを構築しています。伝統的な4資産に投資する従来のバランス型の投資信託と比べて、より広範囲な分散投資が期待できます。

ただ、いかんせん、費用が割高です。示されているシミュレーションは費用が考慮されておらず、かつ、ベンチマークも設定されていない為、THEOの有効性や優位性の有無を評価することができません。定量分析に基づく投資判断でありながら、投資家に投資判断の有効性をきちんと示さない姿勢は不誠実であるまじき行為です。

結論:投資戦略の有効性の根拠を示していない(根拠がないかもしれない)サービスに、毎年1%の高額の費用を支払う理由が見出しがたい為、当サイトとしては、この投資信託への投資はお勧めしません。

 ご参考:費用算出の前提条件や、費用の項目別・支払先別内訳等の結果詳細は、「シミュレーション詳細」をご覧ください。

  シミュレーション詳細
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