三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」とニッセイアセットの「購入・換金手数料なしシリーズ」を比較する

低コストのインデックスファンドの運用で定評のあるニッセイアセットマネジメントの「購入・換金手数料なしシリーズ」と三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」を取り上げてみたいと思います。

サービスのご紹介

ニッセイアセットマネジメントの「購入・換金手数料なしシリーズ」も、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」も、どちらも販売手数料ゼロのノーロードファンドとして、低コストで様々なインデックスファンドを提供しているサービスです。

商品ラインナップの比較

取り扱い商品数は次のとおり「購入・換金手数料なしシリーズ」が13、「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」が13となっています。(2022年8月現在)

ニッセイアセットマネジメント 三菱UFJ国際投信
サービス名 購入・換金手数料なしシリーズ eMAXIS Slim
国内株式(TOPIX)
国内株式(日経平均)
国内株式(JPX400)
国内債券
外国株式(全世界含む日本)
外国株式(全世界除く日本)
外国株式(先進国)
外国株式(米国)
外国株式(3地域均等型)
外国株式(新興国)
外国債券
国内REIT
海外REIT
バランス型(4資産)
バランス型(6資産)
バランス型(8資産)

どちらも、伝統的な4資産(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券)とそれらを組み合わせたバランス型のインデックスファンドをラインナップとして揃えています。

前回比較した2018年時点では、「eMAXIS Slim」の商品ラインナップに、内外REITがない、バランス型ファンドの選択肢が1種類しかない等、「購入・換金手数料なしシリーズ」と比べると中途半端な感が否めませんでしたが、現在では両社の商品ラインナップに優劣はありません。

費用の比較

ここでは信託報酬率(税抜)の比較を行いました。対象商品は、両社でラインナップのある次の10商品です。(2022年8月現在)

ニッセイアセットマネジメント 三菱UFJ国際投信
サービス名 購入・換金手数料なしシリーズ eMAXIS Slim
国内株式(TOPIX) 0.140% 0.140%
国内株式(日経平均) 0.140% 0.140%
国内債券 0.120% 0.120%
外国株式(全世界含む日本) 0.104% 0.104%
外国株式(全世界除く日本) 0.093% 0.093%
外国株式(新興国) 0.189% 0.170%
外国債券 0.140% 0.140%
国内REIT 0.250% 0.170%
海外REIT 0.270% 0.200%
バランス型(8資産) 0.140% 0.140%

前回同様、三菱UFJ国際投信株式会社の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」の方が、ニッセイアセットマネジメント株式会社の「購入・換金手数料なしシリーズ」よりも、全般的に低い信託報酬率が設定されています。

これは偶然ではなく「eMAXIS Slim」の次の方針が背景にありそうです。

多くの方に資産形成ツールとして、よりお役立ていただけるよう、イーマクシススリムは、業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざします出所:三菱UFJ国際投信ウェブサイトより

ただし、どちらも長期の資産運用向きの低コストファンドに変わりなく、決定的な優劣は見受けられません。

まとめ

ニッセイアセットマネジメント株式会社の「購入・換金手数料なしシリーズ」と、三菱UFJ国際投信株式会社の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)」は、他の運用会社の同類のインデックスファンドよりも、2歩も3歩を先を行く投資信託と言えます。

商品のラインナップ、費用の水準、いすれにおいても両社に決定的な違いはなく、ともにお勧めできる投資商品といえます。

面白いのが2社とも、これまでインデックス運用をウリにしてきた会社ではないということです。薄利多売のインデックス運用においては先行者に圧倒的なメリットがあります。インデックス運用で先行する信託銀行を差し置いて、何もないところから、よくぞここまで低コストの商品提供にこぎつけたなという印象です。あっぱれです。

これからも2社が競争しながら、ともに残高を増やし、将来的には世界でも通用できる(バンガードに対抗しうる)レベルのインデックスファンドに成長することを期待しています。