当サイトの掲載情報についてQ&A方式で説明します。
よくある質問
シミュレーションで手数料や税金を考慮する理由を教えてください
影響が大きく無視できないからです。手数料や税金を考慮ないシミュレーションは、常に結果が過大に評価されています。元本割れの確率も示されている数字より高くなりますのでご注意ください。
多くの運用会社や販売会社が、費用を考慮しないシミュレーションを示すのはなぜですか
単なる怠慢です。費用の影響が大きいことを知っていながら、これを示さないのは顧客を欺く行為と言われても仕方ありません。
シミュレーションで考慮している費用を全て教えてください
支払い費用の総額として、各種手数料、信託報酬、監査報酬、取引コスト、その他費用、税金、及び機会費用(費用支払いによる投資元本の減少がなければ得られていたはずの利益)の合計額を算出しています。
シミュレーション結果の「平均的に達成できる結果」とは何ですか
平均的に達成できる結果として中央値を採用しています。中央値はデータを小さい順に並べた時に中央に位置する値で「50%の確率で達成できる水準」という意味の数字です。シミュレーションの性質上、平均値は中央値よりも常に大きくなるため、平均値の実現確率は常に50%未満となります。したがって、結果の代表値として示す場合は、平均値よりも中央値の方が適していると考えました。
シミュレーションについて
期待収益率とリスク
期待収益率とリスクとは何ですか
期待収益率は想定する年率の運用利回り、リスクは実際の収益率が期待収益率からどれくらい乖離する可能性があるかを表す指標です。
例えば、今回の設定値「期待収益率6.00%/年、リスク23.00%/年」は、実現する年率の収益率が、6.00%±23.00%(-17.00%から29.00%の範囲)になる可能性が一定程度ある(約68%の確率で起こる)ことを仮定するものです。
期待収益率にマイナスの数字を設定できますか
はい、できます。-20%から+20%の範囲内の任意の数値を設定可能です。
期待収益率とリスクの初期値設定の根拠を教えてください
当サイトでは、公的年金や民間の運用会社が想定している数値を参考に、次の期待収益率とリスク(カッコ内数値)を初期値に設定しています。
国内株式:5%(23%)、国内債券:1%(2.5%)、グローバル株式:7%(25%)、グローバル債券:2.5%(12%)、国内REIT:4%(20%)、グローバルREIT:6%(23%)、バランス型他:4%(12%)
販売手数料
販売手数料と買付可能金額の計算方法を教えてください
元手から税込の販売手数料を引いた額が買付可能金額になります。例えば、元手が1,000,000円、税込の販売手数料率が3.24%の場合、以下の計算になります。「販売手数料」=1,000,000÷(1+0.0324)×0.0324=31,383円。「買付可能金額」=1,000,000-31,383=968,617円。
分配金を再投資する場合の販売手数料は設定できますか
できません。分配金を再投資する場合は販売手数料はかからない前提を置いています。
証券会社によって異なる販売手数料の初期値設定の根拠を教えてください
販売手数料率は、運用会社が定めた上限値を初期値に設定しています。
信託報酬
信託報酬の計算方法を具体的に教えてください
信託報酬と監査費用を日割りで計算します。1日あたりの各費用の計算方法は以下のとおりです。「当日の信託報酬」=「当日の投資信託の資産価値」×「信託報酬率÷365」×(1+「消費税率」)
ロボットアドバイザーやファンドラップの信託報酬の設定根拠を教えてください
各社ともETFもしくは低コストのインデクスファンドに投資しているものの、その信託報酬は0.05%-0.3%bpと一様ではなく、投資家によって投資対象ETF(またはインデックスファンド)の構成が異なることから、信託報酬は各社の特徴を踏まえて、会社ごとに固有の数値を設定しています。その際、信託報酬の内訳については便宜上、各社一律に、販売報酬は0bp、受託者報酬は2bpと設定しています。また、信託財産留保額と監査報酬はゼロを設定、投資一任報酬は「その他費用」に設定しています。
取引コスト
取引コストは売買委託手数料のことですか
違います。運用報告書に記載されている売買委託手数料は、取引の主流となっている相対取引分は含まれていないので、全く参考にならない数字です。投信会社や販売会社のウェブサイトには、これがあたかも取引コスト全体を示すかのような解説が掲載されている場合がありますがそれは誤りなのでご注意ください。
取引コストの定義を教えてください
取引コストは、掛かった費用が直接把握できる「売買委託手数料」と、費用が把握しにくい間接的なコストである「マーケットインパクト」や「タイミングコスト」、「機会コスト」等の合計額です。このうち、当シミュレーションでは売買委託手数料とマーケットインパクトの合計額を取引コストと定義しています。(タイミングコストと機会コストについては、場合によってはプラスの値になること、これらを計算するには更に多くの前提条件を必要とすること等の理由により、考慮しないことにしました。)
取引コスト(約定代金比率)とは何ですか
約定代金に占める取引コストの割合です。例えば100万円である株式を買い付けた場合に、取引コストが1000円だった場合、約定代金比率は0.1%(=1,000÷1,000,000)となります。
取引コスト(約定代金比率)を設定する時の目安を教えてください
次の値は、一定規模のファンド(例えば国内株式ファンドであれば純資産300億円)を想定した場合の設定目安です。
国内株式:0.3%~0.9%、グローバル株式:0.3%~1%、国内債券:0.005%~0.03%、グローバル債券:0.05%~0.2%、バランス型:0.2%~0.8%、REIT他:0.3%~0.9%。
値の設定が難しいという理由で取引コストを考慮しないのは論外ですが、逆に実際よりも過度に見積もり過ぎるとシミュレーション結果の信頼性が低下してしまいます。よって、最低限かかる費用として上記の下限値の設定をお勧めします。なお取引コストは同じ投資対象資産でも、有価証券の種類(株式でいえば大型株か小型株か、債券であれば国債か事業債か等)やファンド規模、対象期間(マーケットの流動性)等によって大きく異なります。実際の取引コストは記載した上限値を大きく上回ることや下限値を下回ることがあることをご承知ください。
取引コスト(約定代金比率)の初期値設定の根拠を教えてください
取引コスト(約定代金比率)を過大に見積もるとシミュレーション結果全体の信頼性が低下する為、最低限の費用を反映させる目的で次の値を設定しています。
バランス型:0.2%、国内株式(大型株):0.3%、国内株式(中小型株):0.6%、グローバル株式(大型株または先進国):0.3%、グローバル株式(アジア・エマージング株または中小型株):0.6%、国内債券(国債中心):0.005%、国内債券(社債中心):0.015%、グローバル債券(先進国):0.05%、グローバル債券(アジア・エマージング):0.1%。
取引コストの計算方法を教えてください
取引コストを約定代金に対する比率として定義した「約定代金比率」に、「売買回転率」を乗じて、それを2倍した数値(売り買い往復の取引コストに換算)が、年間の想定取引コストとなります。なお、取引コストは取引の都度、発生するものですが、当シミュレーションでは、毎日一定割合の取引が発生する前提で、年間の想定取引コストを日割りで計上しています。
売買回転率とは何ですか
売買回転率とは、投資信託内において投資している組入資産の売買の頻度を表わす指標です。設定・解約に伴う売買を除く、組入資産の購入金額と売却金額の平均値を純資産額で割って求められます。1年間で組入銘柄が全て入れ替わる場合、売買回転率は100%となります。
売買高比率と売買回転率との違いを教えてください
売買高比率は、投資信託の設定・解約に伴う売買を含む数値、売買回転率はそれらを含まない純粋な投資資産の入替率を表す指標です。期中に大きな設定や解約がない場合、「売買回転率100%」と「売買高比率2」は、ほぼ同じ意味になります。
売買高比率ではなく売買回転率を設定する理由は何ですか
売買高比率は設定・解約に伴う売買を含む為、同じ投資信託でも時期によって大きく変動する数値なので使いづらいからです。なお、海外では売買回転率の方が主流で、これを掲載しないで売買高比率を掲載しているのは日本くらいです。
売買回転率の計算方法(設定方法)を教えてください
運用報告書に記載されている期中の購入額と売却額から、次の定義式で簡易的に求めることができます。「期中の購入額と売却額のうち、いずれか小さい金額」÷「組入資産の総額」。海外ではこの方法によって計算された売買回転率を目論見書に掲載するのが主流となっています。例えば、100億円の投資信託において、1年間で50億円の株式を買付け、30億円の株式を売却した場合、売買回転率は、30億円÷100億円=30%と計算されます。(運用報告書は決算期毎に集計された数値が記載されています。掲載数値が1年未満の場合は、12ヶ月ベースに換算した値を使って計算してください。)
売買回転率を設定する時の目安を教えてください
売買回転率はファンド毎に異なります。売買高比率が分かる場合は「売買高比率×100%÷2」の計算値を、売買高比率がわからない場合や特定のファンドを想定しない場合は、次の値を目安に設定してください。
バランス型アクティブ:30%~150%、バランス型パッシブ:10%~50%、株式アクティブ:30%~150%、株式パッシブ:6%~15%、債券アクティブ:50%~100%、債券パッシブ:50%~100%。
値の設定が難しいという理由で取引コストを考慮しないのは論外ですが、逆に実際よりも過度に見積もり過ぎるとシミュレーション結果の信頼性が低下してしまいます。よって、最低限かかる費用として上記の下限値の設定をお勧めします。
売買回転率の初期値設定の根拠を教えてください
売買回転率が公表されていない場合は、運用報告書記載の年間の「売買高比率」に50%を乗じた値(例えば、売買回転率が1.5であれば75%)を便宜的に「売買回転率」として設定しています。なお売買回転率(売買高比率)は測定時期によって異なる場合があるので、複数期間の計算結果を参考に値を設定しています。売買高比率がわからない場合は、最低限かかる費用として次の値を設定しています。
バランス型アクティブ:30%、バランス型パッシブ:10%、株式アクティブ:30%、株式パッシブ:6%、債券アクティブ:50%、債券パッシブ:50%。
実際の売買回転率は設定値を大きく上回ることや下回ることがあることをご承知ください。
分配金
分配金の支払回数とは何ですか
年間の支払回数を0から12の整数値で設定できます。支払回数0は分配金を出さない設定と同じで、支払回数12はいわゆる毎月分配型の投資信託となります。
分配金の設定額に上限はありますか
ありません。1万口あたりの分配金は自由に設定可能です。ただし、分配金支払後の基準価額が3,000円未満となる場合は、分配金が出ない想定を置いた計算を行います。
分配金の支払額はどうやって計算していますか
当シミュレーションで設定する「分配金」は1万口あたりの金額です。分配金の支払額は、次の計算式で求めています。「1万口あたりの分配額」×「保有口数」÷10,000.たとえば、購入時の基準価額が5,000円の場合、現金1,000,000円で購入できる投資信託の口数は2,000,000口になります。1万口あたりの分配金が100円の場合、分配金の支払額は、100円×2,000,000口÷10,000=20,000円になります。
分配金の設定でなぜ基準価額を入力する必要があるのですか
分配金の支払い額や分配金にかかる税金を計算するのに必要だからです。
分配金を再投資する設定はできますか
税引後の分配金を「再投資する」か「再投資しない」かを選択できます。
分配金を再投資する場合の販売手数料は設定できますか
分配金を再投資する場合の販売手数料は設定できない仕様(買付手数料はかからない前提)です。
分配金を再投資する場合の口数の計算方法を教えてください
税引後の分配金を再投資する場合は、再投資するタイミングの基準価額をもとに、再投資分の口数を計算しています。
分配金にかかる税金の計算方法を教えてください
分配金にかかる税金は、普通分配金(分配金のうち、元本払戻金を除く金額)に、譲渡益税率を乗じて計算しています。なお、分配金支払日の基準価額が「個別元本」を上回る場合は、分配金の全額が「普通分配金」となりますが、分配金支払日の基準価額が「個別元本」を下回る場合は、その差額と分配金のうち小さい金額が「元本払戻金」、分配金から元本払戻金を引いた金額が「普通分配金」となります。
譲渡益税
譲渡益税とは何ですか
譲渡益税は、投資信託の売却時に、実現した利益(譲渡所得)に課される税金費用です。適用税率が同じなら、譲渡益税が多いほど、諸費用を抑えた優れたファンド(運用成績が良いファンド)といえます。したがって、ファンドの費用を比較・評価する際の参考値として、譲渡益税を含まない総費用も併せて掲載しています。
譲渡益税の計算方法を教えてください
「解約時にかかる税金支払い前の投資信託の資産価値」が、「総投資金額」を上回った場合は、その差額に対して所得税と住民税がかかります。なお、総投資額は算出式は次のとおりです。「総投資金額」=「投資信託の買付金額」-「分配金総額」+「分配金再投資総額」。
その他
ファンドラップなどの投資一任報酬は費用として考慮できますか
「その他費用」に設定いただくことでシミュレーション結果に反映可能です。ファンド費用分析でも、ロボットアドバイザーやファンドラップの投資一任報酬は「その他費用」に設定しています。
個人型確定拠出年金(イデコ、iDeCo)を想定することは可能ですか
対応していません。ただし、当シミュレーションでは税率も変えることができますので、譲渡益税率を0%に設定すれば非課税の場合のシミュレーションが可能です。
少額投資非課税制度(ニーサ、NISA)を想定することは可能ですか
対応していません。ただし、当シミュレーションでは税率も変えることができますので、譲渡益税率を0%に設定すれば非課税の場合のシミュレーションが可能です。
シミュレーション結果にある経費率とは何ですか
経費率は、ファンドの純資産総額に対する、運用するために必要な費用の割合で、これが低ければ保有中に発生する費用を抑えることができます。当サイトでは運用終了後に課される譲渡益税が、総費用に含まれている一方で最終資産価値からは控除されているため、経費率は次の式で計算しています。
経費率=(総費用-譲渡益税)÷(資産価値+譲渡益税)÷投資年数。
なお、計算上、ファンド購入時に一括して徴収される販売手数料などは、投資期間年数(今回の設定では、10年間)で按分されるため、投資期間がこれより短い場合、経費率は掲載値より大きくなります。
シミュレーション結果を見る時の注意点を教えて下さい
乱数を用いたシミュレーションは、実行毎に異なる結果(最終投資損益)が得られ、そのばらつきは、時として無視できないほど大きくなります。
そもそも、投資期間10年のシミュレーションを、多数回(例えば100回)実行した時に得られる結果は、10年間の投資を100回実行できる(すなわち、1,000年間、投資することができる)不老不死の仙人が参考にすべき数値です。せいぜい50年間程度しか投資できない個々の人間にとっては、100個のシミュレーション結果のどれが実現するかは、運・不運の要素が大きいのが現実です。
シミュレーションはあくまでもシミュレーションであり、リスク性資産に投資する場合は「勝負は時の運」と割り切ることも必要です。
資産価値の確率分布の形状を教えてください。
収益率が正規分布に従う場合、その複利計算で実現する資産価値(及び投資損益)は、対数正規分布に従うことになります(期中の各種費用の支払い等を考慮した場合は、正確にはそのとおりにはなりませんが、実務上、対数正規分布で近似しても支障はないと考えます)。対数正規分布は左右に非対称な分布で、その非対称性は、リスクが大きく、投資期間が長いほど強まり、中央値と平均値の差は拡大します。